gromacsチュートリアル1 水中のリゾチーム 日本語

引用

http://www.mdtutorials.com/gmx/lysozyme/index.html

gromacsのインストール

brew install gromacs

Some GROMACS Basics

GROMACSのpdbファイルのダウンロード

https://files.rcsb.org/download/1AKI.pdb

pdbから水分子の除去

  • "HOH"行を除去
grep -v HOH 1aki.pdb > 1AKI_clean.pdb
  • リゾチームとともに結晶化された水分子はgromacsのシミュレーションに不要なため、今回は除く。(自然状態で水分子との強固な結合がある分子や、水分子が活性を持ち機能する分子については除かないこと。)

pdb2gmxの実行

最初に力場にしたがって構造を調節する行程。 必須ではなく、.groは正確性に欠けることもあるので、例えば.pdbをのちの行程に用いることもできる。

pdbファイルから以下のファイル(1AKI_processed.gro, topol.top, and posre.itp)を生成する

  • .top topology。分子の位置関係を記述。 非結合性のパラメーター(原子の種類と電荷)や結合性のパラメーター(結合、角度、二面角)を含む

  • .itp position restraints(分子位置の固定)のための情報。分子位置の固定は平衡化時に機能分子の構造が大規模に動かないようにするために行う。

  • .gro 力場とその中にある原子の構造を示す。 例えば、.pdbと比べるとH原子が付加されている。

コマンドは以下。

gmx pdb2gmx -f 1AKI_clean.pdb -o 1AKI_processed.gro -water spce

実行すると1-15番の力場からどれか選べと出るので15番のOPLSを選ぶ。

15: OPLS-AA/L all-atom force field (2001 aminoacid dihedrals)

以下補足

  • .pdbにコメントでMISSINGがないか注意 本来は存在するが結晶では見られなかった分子。gmxを生成できない。他のソフトによりモデリングが必要

  • 動力学を適用できる分子 gromacsは.rtpファイルによって力場が定義されている限定的な分子(タンパク質、拡散、補酵素)のみに適用可能。それ以外の分子には適用できない。

  • オプションの意味

-f インプットファイル

-o アウトプットファイル

-water 使用するwaterのモデルの種類。select, none, spc, spce, tip3p, tip4p, tip5p, tips3pがある。

  • その他のオプション(よく使うもの)

-ignh: Hを無視。NMRのデータに最適。

-ter: C末端またはN末端の電荷を自分で設定する

-inter: Glu, Asp, Lys, Arg, Hisの電荷を設定したり、どのCysがジスルフィド結合しているかを選んだりする

Topology

topol.topの内容説明

#include "oplsaa.ff/forcefield.itp"

これはOPLS-AA fieldのパラメータをコールしている

; Name       nrexcl
Protein_A    3

Protein_A: 分子名

nrexcl: There are 3 exclusions for bonded neighbors(詳しくはマニュアル参照)

[ atoms ]
;   nr       type  resnr residue  atom   cgnr     charge       mass  typeB    chargeB      massB
; residue   1 LYS rtp LYSH q +2.0
     1   opls_287      1   LYS       N      1       -0.3    14.0067   ; qtot -0.3
     2   opls_290      1   LYS      H1      1       0.33      1.008   ; qtot 0.03
     3   opls_290      1   LYS      H2      1       0.33      1.008   ; qtot 0.36
     4   opls_290      1   LYS      H3      1       0.33      1.008   ; qtot 0.69
     5  opls_293B      1   LYS      CA      1       0.25     12.011   ; qtot 0.94
     6   opls_140      1   LYS      HA      1       0.06      1.008   ; qtot 1
  • nr: 原子の番号
  • type: 原子の種類
  • resnr: アミノ酸残基の番号
  • residue: アミノ酸残基の名前
  • atom: 原子の名前
  • cgnr: charge groupの番号。charge groupとは整数電荷のunitを定義することで高速化に寄与している(?)
  • charge: 電荷
  • mass: 質量
  • typeB chargeB massB: 自由エネルギー摂動のための因子(?)

その後は [ bonds ], [ pairs ], [ angles ], [ dihedrals ]のセクションが続く(マニュアル参照)

posre.itp の内容説明

平衡化時に原子を動かないようにするために使われる力学的な定数を定義

; Include Position restraint file
#ifdef POSRES
#include "posre.itp"
#endif